中国ドラマ『三国志~司馬懿 軍師連盟~』キャスト・登場人物
キャスト
画像 | キャスト | 役名 |
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ウー・ショウポー(呉秀波) | しばい(司馬懿) 役 |
曹魏の重臣。三代の皇帝に仕え、数十年間隠忍した末に権力を掌握し、司馬氏が魏に取って代わる基礎を築いた。 | ||
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リウ・タオ(劉涛) | ちょうしゅんか(張春華) 役 |
司馬懿の正妻。剛毅で決断力があり、夫が隠忍し機会を待つのを助けた。劇中ではその政治的知恵が描かれる。 | ||
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リー・チェン(李晨) | そうひ(曹丕) 役 |
曹操の長男で、魏の開国皇帝。司馬懿を猜疑し、新政を推し進めて宗室を抑圧した。 | ||
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ユー・ハーウェイ(于和偉) | そうそう(曹操) 役 |
曹魏の基礎を築いた人物で、乱世の梟雄。天子を擁して諸侯に号令した。劇中では複雑で猜疑心の強い性格として描かれる。 | ||
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チャン・チュンニン(張鈞甯) | はくれいいん(柏霊筠) 役 |
司馬懿の側室で、曹丕が送り込んだ間諜。後に司馬懿に心を寄せ、彼が危機を乗り越えるのを助けた。 | ||
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ジャイ・ティエンリン(翟天临) | ようしゅう(楊修) 役 |
曹植の参謀。才能を鼻にかけ奔放な振る舞いをし、軍の士気を乱したため曹操に処刑された。劇中では司馬懿と対立する。 | ||
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タン・イーシン(唐芸昕) | かくしょう(郭照) 役 |
曹丕の皇后で、張春華の義妹。聡明で謀略に長け、劇中では曹丕の地位安定を助ける。 | ||
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ヂャン・フー(章賀) | そうしん(曹真) 役 |
曹魏の宗室の将軍で、大司馬。司馬懿と権力を争い、劇中では何度も新政を妨害する。 | ||
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ジャン・ジーシー(張芷溪) | しんぴ(甄宓) 役 |
曹丕の皇后で、曹植が想いを寄せた人物。曹真の策略で陥れられ、曹丕から死を賜った。 | ||
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ワン・ドン(王東) | しばふ(司馬孚) 役 |
司馬懿の弟。魏の五代の皇帝に仕えた。表面上は忠実で温厚だが、実際には陰で司馬氏を補佐した。 | ||
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ワン・ジンソン(王劲松) | じゅんいく(荀彧) 役 |
曹操の首席参謀で、漢室に忠誠を尽くした。曹操が公や王を称することに反対したため自害した。 | ||
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シャオ・シュンヤオ(肖顺尧) | しばし(司馬師) 役 |
司馬懿の長男。魏帝・曹芳を廃し、官位は大将軍に至った。劇中ではその隠忍と権謀術数が描かれる。 | ||
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タン・ジェンツー(檀健次) | しばしょう(司馬昭) 役 |
司馬懿の次男で、西晋王朝の基礎を築いた人物。魏帝・曹髦を弑殺した。劇中では野心家として描かれる。 | ||
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ルー・スーユー(陆思宇) | きゅうふ(汲布) 役 |
曹丕の腹心の大将。若い頃、張春華に想いを寄せていた。後に司馬懿の軍中における間諜となる。 | ||
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ライ・シー(来喜) | こうきつ(侯吉) 役 |
司馬家の執事で、忠実で善良。司馬懿の一生に付き添い、劇中ではその世渡りの知恵が描かれる。 | ||
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ルー・イエンチー(陸妍淇) | しょうげん(小沅) 役 |
柏霊筠の侍女で、忠誠心があり機敏。劇中では何度も柏霊筠の情報伝達を助ける。 | ||
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ツァオ・レイ(曹磊) | かくか(郭嘉) 役 |
曹操の初期の参謀で、「鬼才」と称された。曹操の北方平定を助けたが、早逝し曹操を嘆かせた。 | ||
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ヂュ・シュアンジョン(褚栓忠) | ちんぐん(陳羣) 役 |
曹魏の重臣。九品中正制を制定し、士族と宗室の矛盾を調和させた。劇中では新政を推進する。 | ||
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ワン・レンジュン(王仁君) | そうしょく(曹植) 役 |
曹操の子で、文才に優れていた。曹丕との後継者争いに敗れ、後に軟禁された。 | ||
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チェン・ジーホイ(陳之輝) | そうこう(曹洪) 役 |
曹操の従弟で、曹魏の将軍。勇猛さで知られたが、吝嗇であったため曹丕に憎まれ、後に免官された。 | ||
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リウ・ユエ(劉岳) | しょうかい(鍾会) 役 |
魏の太傅・鍾繇の子。鄧艾と共に蜀を滅ぼした後、謀反を起こして殺された。劇中では司馬懿の重要な助手として描かれる。 | ||
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リウ・リンジー(劉凌志) | とうがい(鄧艾) 役 |
魏の名将。陰平を間道から進軍して蜀を滅ぼしたが、後に鍾会の策略で陥れられ死に至った。劇中ではその軍事的才能が描かれる。 | ||
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ヤン・モン(楊猛) | じゅんゆう(荀攸) 役 |
曹操の重要な参謀で、「謀主」と称された。奇策を用いるのを得意とし、曹操の北方統一を助けた。 | ||
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シュー・ホアンシャン(許還山) | かだ(華佗) 役 |
後漢の名医。曹操の治療を拒否したため投獄され処刑された。劇中ではその医術と気概が描かれる。 | ||
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ジャン・ドウドウ(張逗逗) | かこうき(夏侯徽) 役 |
司馬師の妻で、夏侯尚の娘。司馬家と夏侯家の政治闘争に巻き込まれ、司馬昭に毒殺された。 | ||
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ホアン・ジュンポン(黄俊鵬) | じょしょ(徐庶) 役 |
劉備の初期の参謀。母が曹操に人質に取られたため曹操に仕えることになった。劇中では魏の文帝(曹丕)の御史中丞を務める。 | ||
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リー・ヨウウェイ(李佑偉) | しばろう(司馬朗) 役 |
司馬懿の兄で、後漢末期の政治家。「司馬八達」の一人。曹操配下の官吏だったが、後に楊修に陥れられて死に至った。 | ||
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ジャン・ジージョン(張志忠) | しばぼう(司馬防) 役 |
司馬懿の父で、後漢の京兆尹。厳格な家風で知られ、司馬氏の台頭の基礎を築いた。 | ||
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ルー・シンユー(盧星宇) | りくそん(陸遜) 役 |
呉の名将で、孫策の婿。夷陵の戦いで劉備を大敗させ、官位は上大将軍に至った。 | ||
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ディン・ハイフォン(丁海峰) | そんけん(孫権) 役 |
東呉の開国皇帝。江東に勢力を張り、曹魏・蜀漢と天下を三分した。晩年は猜疑心が強かった。 | ||
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シュー・ミン(徐敏) | しょうよう(鍾繇) 役 |
曹魏の重臣で、著名な書家。大理寺卿の時、曹丕の事件を公正に審理し、官位は太傅に至った。 | ||
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ルアン・ジュンウェイ(栾浚威) | ていぎ(丁儀) 役 |
曹魏の文学者で、丁冲の子。曹植の擁護者であり、曹植の嫡子争いを支持したため曹丕に誅殺された。 | ||
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ルー・リン(陸玲) | べんふじん(卞夫人) 役 |
曹操の正室で、武宣皇后。元は歌妓の出身だが賢明で徳があり、慎み深く、曹操を補佐して後方を安定させた。 | ||
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リウ・ジエン(柳健) | ようひょう(楊彪) 役 |
後漢の名臣で、弘農楊氏の代表的人物。楊修の父。袁術との姻戚関係により曹操に疑われたが、後に満寵によって公正に釈放された。 | ||
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ワン・リー(王力) | まんちょう(満寵) 役 |
曹魏の重臣で、四代の皇帝に仕えた。法を厳格に執行し、合肥を守って東呉を防いだことで知られ、官位は太尉に至った。 | ||
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イン・グオホア(尹国華) | しじゅん(施淳) 役 |
曹操の側近の宦官。機敏で慎重。劇中では何度も重要な情報を伝達する。 | ||
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ワン・シュウチアン(王琇强) | かき(賈逵) 役 |
曹魏の将軍。忠勇で知られる。劇中では孟達の反乱鎮圧に参加する。 | ||
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ワン・タクセイ(王泽清 ) | さいえん(崔琰) 役 |
曹操の参謀。曹植を支持したため曹丕に陥れられ、筆跡を偽造された後に処刑された。 | ||
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ヤン・ハンビン(杨涵斌) | かこうとん(夏侯惇) 役 |
曹操の同族の弟で、曹魏の名将。隻眼の勇将。劇中ではその忠誠心と武勇が描かれる。 | ||
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リュウ ・ユーリン(柳玉林 ) | ていいく(程昱) 役 |
曹操の参謀。剛直で気性が激しい性格。何度も献策して曹操の危機を救った。 | ||
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ドゥ・シンチー(杜星奇) | そうきゅう(曹休) 役 |
曹魏の宗室の将軍で、大司馬。司馬懿と権力を争い、劇中では戦いに敗れて憂鬱のうちに亡くなる。 | ||
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チャン・シンジョー(张兴哲) | かこうしょう(夏侯尚) 役 |
夏侯徽の父で、夏侯玄の叔父。曹魏の将軍。劇中では司馬懿と姻戚関係のことで対立する。 | ||
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チョン・チョン(程誠) | かこうげん(夏侯玄) 役 |
夏侯尚の子で、夏侯徽の兄。玄学の代表的人物。後に司馬師に誅殺された。 | ||
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リー・ションイエ(李晟烨) | かこうぼう(夏侯楙) 役 |
夏侯惇の子で、清河公主の夫。劇中では曹丕の腹心だが、凡庸で無能。 | ||
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リー・ロン(李龍) | きょちょ(許褚) 役 |
曹操の護衛で、「虎痴将軍」と称された。勇猛で忠誠心に厚く、劇中では何度も曹操の身の安全を守る。 | ||
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グオ・ミンユー(郭洺宇) | そうしょう(曹彰) 役 |
曹操の子で、勇猛さで知られた。後継者争いに敗れた後、曹丕に毒殺された。 | ||
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リー・ユーヤン(李雨洋) | せいかこうしゅ(清河公主) 役 |
曹操の娘で、夏侯楙の妻。劇中ではわがままな性格で、政治闘争に巻き込まれる。 | ||
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ホウ・トンジャン(侯桐江) | ほうはく(方伯) 役 |
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ワン・ゼンチー(王增奇) | ごしつ(呉質) 役 |
曹丕の参謀。放蕩で奔放な性格。曹丕の嫡子争いを助け、劇中では曹植を陥れることに関与する。 | ||
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ワン・バオジャオ(王伯昭) | りゅうび(劉備) 役 |
蜀漢の開国皇帝。劇中では漢室の正統を自任し、曹操と天下を争う。 | ||
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レン・ユー(任宇) | りゅうてい(劉禎) 役 |
後漢の名士で、「建安七子」の一人。劇中ではその文才と気骨の高さが描かれる。 | ||
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ワン・マオレイ(王茂蕾) | りゅうきょう(劉協) 役 |
後漢の最後の皇帝で、傀儡の天子。劇中では曹操に擁立され、後に曹丕に禅譲する。 | ||
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タン・シャーシャー(谈莎莎) | とうきじん(董貴人) 役 |
献帝の妃嬪で、董承の娘。衣帯詔事件により曹操に誅殺された。 | ||
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ユー・シューシン(虞書欣) | だいこうしゅ(大公主) 役 |
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ウー・ユージエ(吴雨珏) | しょうこうしゅ(小公主) 役 |
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グオ・ジャーヌオ(郭家諾) | ちょうこう(張郃) 役 |
曹魏の名将。官渡の戦いで曹操に降伏した。街亭の戦いで馬謖を破った。劇中では勇猛で戦上手として描かれる。 | ||
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ジャオ・シン(趙昕) | しや(子夜) 役 |
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ワン・フーチェン(王虎城) | ちょうしょう(張昭) 役 |
東呉の重臣で、孫策から後事を託された大臣。劇中では魏と連合して蜀に対抗することを主張する。 | ||
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ジャオ・イエンミン(趙彦民) | とうしょう(董承) 役 |
献帝の国舅(皇后の父または兄弟)。衣帯詔によって曹操暗殺を計画したが、失敗して殺された。 | ||
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リー・ジェンゾー(李镇泽) | しょうしゅう(小周) 役 |
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リウ・グーハオ(刘顾浩) | さいしん(崔申) 役 |
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チャン・ジン(常晋) | そうじん(曹仁) 役 |
曹操の従弟で、曹魏の名将。荊州を守って関羽を防いだ。劇中では何度も敵と戦う。 | ||
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シェン・シュエウェイ(沈雪煒) | かんきん(灌均) 役 |
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ウェイ・ユー(衛羽) | じょこう(徐晃) 役 |
曹魏の名将。襄樊の戦いで関羽を破った。劇中ではその軍事的才能が描かれる。 | ||
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リウ・シュー(劉旭) | ちょうりょう(張遼) 役 |
曹魏の名将。逍遥津の戦いで江東に威名を轟かせた。劇中では曹操配下の猛将として描かれる。 | ||
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ロン・ズーシャン(栄梓杉) | (幼い司馬師) 役 |
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ヤオ・シンイエン(姚欣言) | (司馬昭の長女) 役 |
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ホアン・イー(黄毅) | (少年時代の曹叡) 役 |
曹丕の長男で、曹魏の第二代皇帝。劇中では幼少期の聡明さと権謀術数が描かれる。 | ||
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ジャオ・ユンジュオ(赵蕴卓) | とうごうこうしゅ(東郷公主) 役 |
ドラマ『三国志~司馬懿 軍師連盟~』登場人物紹介:英雄たちの知られざる素顔と、時代のうねり
これまで幾度となく語られてきた「三国志」の世界。しかし、このドラマ『三国志~司馬懿 軍師連盟~』は、少し趣が異なります。主役は、あの諸葛孔明の永遠のライバルであり、魏王朝の礎を築いたとされる司馬懿(しばい)。彼の目を通して、乱世の権力闘争、そしてそこに生きた人々の複雑な心情を、深く、そして時に温かく描き出しています。まるで、歴史の教科書からはこぼれ落ちてしまった、人間たちの息遣いに耳を澄ませるような物語なのです。
司馬懿(しばい) - 演:ウー・ショウポー
本作の主人公。若い頃は、「鷹視狼顧(ようしろうこ)の相」――鋭い目つきと狼が振り返るような仕草から、野心を警戒され、曹操に仕えることを固辞していました。しかし、その類まれなる知略と、何より「忍耐」の人。彼は、時代の激流の中で、ただ静かに爪を研ぎ、時を待つことを選びます。曹丕と曹植の後継者争いでは、絶妙なバランス感覚で曹丕を支え、幾多の危機を乗り越えさせます。ライバル楊修との知恵比べは、息をのむような緊張感。けれど、彼の真骨頂は、権謀術数だけではありません。家族を深く愛し、特に恐妻家として知られる張春華とのやり取りには、思わずクスリとさせられる人間味も。隠忍自重の策士から、やがて魏の実権を握る梟雄へと変貌していく様は、まさに圧巻の一言。彼の長い人生の旅路は、私たちに「生き抜く」ことの意味を問いかけてくるようです。
曹操(そうそう) - 演:ユー・ハーウェイ
「乱世の奸雄、治世の能臣」。曹操という人物の多面性を、これほど見事に体現した俳優がいたでしょうか。ユー・ハーウェイ演じる曹操は、漢王朝を傀儡(かいらい)とし、覇道を突き進む冷徹な権力者であると同時に、詩を愛し、才能ある者を渇望するロマンチストでもあります。「月旦評」で若き司馬懿の才を見抜きながらも、その野心を警戒し続ける。腹心であったはずの荀彧とは、理想の違いから悲しい決別を迎える…。「短歌行」を吟じる姿には、覇者の孤独と、時代の先を見据える者の渇望が滲み出ていて、胸を打ちます。彼の存在そのものが、この時代の複雑さを象徴しているかのようです。
曹丕(そうひ) - 演:リー・チェン
父・曹操の期待と、弟・曹植の才能の影で、常にプレッシャーに晒され続けた公子。彼は、司馬懿の助けを得て、ついに帝位へと上り詰めます。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。父譲りの猜疑心と、理想の政治を実現しようとする焦り。心を許したはずの司馬懿さえも、時に疑い、側室・柏霊筠(はくれいいん)を送り込んで監視するほど。愛したはずの甄宓(しんぴ)との悲劇的な関係も、彼の心の闇を映し出します。リー・チェンは、権力者の孤独と、人間らしい脆さを見事に演じきり、観る者の心に深い共感を呼び起こします。彼の苦悩を通して、私たちは権力というものの重さを感じずにはいられません。
楊修(ようしゅう) - 演:ジャイ・ティエンリン
「才を恃(たの)んで傲(おご)る」。まさにその言葉がぴったりの天才軍師。曹植の側近として、司馬懿の前に幾度となく立ちはだかります。彼の策は常に大胆で、時に危険な香りを放つ。司馬懿とは対照的に、「待つ」ことを知らない。しかし、彼の行動の根底には、曹植への忠誠心と、自らの才を発揮したいという純粋な渇望があったのかもしれません。処刑される直前、司馬懿に語った「君と私の違いは、ただ“忍”の一字にある」という言葉は、あまりにも有名。二人の天才が互いを認め合いながらも、異なる道を歩まざるを得なかった悲劇は、このドラマの大きな見どころの一つです。彼の生き急いだ人生は、才能とは何か、そして時代に翻弄されるとはどういうことかを教えてくれます。
荀彧(じゅんいく) - 演:ワン・ジンソン
曹操に「我が子房(張良のこと)」とまで言わしめた、王佐の才を持つ名臣。彼は、あくまで漢王朝の臣としての矜持を胸に秘め、曹操を支えました。しかし、曹操が魏王となり、禅譲への野心を露わにした時、二人の道は決定的に分かれます。荀彧は、曹操から送られた空の器の意味を悟り、静かに自らの命を絶つ…。その潔い最期は、旧時代の理想と忠義が、新しい時代の波に飲み込まれていく様を象徴しており、深い悲しみを誘います。ワン・ジンソンの抑制された演技が、荀彧の揺るぎない信念と悲哀を際立たせています。
張春華(ちょうしゅんか) - 演:リウ・タオ
司馬懿の正室にして、肝っ玉の据わった「女丈夫」。若い頃、夫の仮病の秘密を知った下女をためらわず手にかけ、夫を守り抜いたという逸話も。家の中では、司馬懿をも尻に敷くほどの気の強さを見せますが、それは深い愛情の裏返し。夫が政治の荒波に揉まれる時、彼女は常にその背中を支え、時には自ら危険に飛び込むことも。柏霊筠との女の戦い(?)も見逃せません。リウ・タオが演じる張春華は、乱世を生きる女性の強さと、妻としての深い情愛を感じさせ、多くの女性視聴者の共感を呼びました。
柏霊筠(はくれいいん) - 演:チャン・チュンニン
曹丕が司馬懿を監視するために送り込んだ、美貌と知性を兼ね備えた女性。しかし、司馬懿の人柄に触れるうちに、次第に彼に惹かれ、やがて心からの協力者となっていきます。張春華とは対照的な、しなやかさと深謀遠慮の持ち主。彼女の存在は、司馬懿の人生に新たな彩りを与えると同時に、彼の心を揺さぶる存在でもありました。最後は司馬懿を守るために命を落とすという、切ない運命を辿ります。チャン・チュンニンの知的な美しさが、この複雑な役柄に説得力を与えています。
他にも、文才には恵まれながらも政治家としては脆かった曹植(そうしょく)、曹操に早くからその才を見抜かれた鬼才軍師・郭嘉(かくか)、兄・司馬懿を陰で支え続けた忠義の士・司馬孚(しばふ)など、魅力的な人物たちが、この壮大な物語を彩ります。