中国ドラマ『繁城の殺人 ～大明に蠢く闇～』キャスト・登場人物

キャスト

画像	キャスト	役名
	バイ・ユーファン（白宇帆）	きょく・さんこう（曲三更） 役
蠹県（とけん）の捕吏で、冷捕頭の弟子。緻密な性格で、師の死因を追ううちに陸家の皆殺し事件に巻き込まれる。
	ニン・リー（寧理）	そう・しん（宋辰） 役
蠹県（とけん）の典史（てんし）。朝廷内の争いにより体に障害を負う。尋問の手段は残忍だが、陰で曲三更の事件調査を助ける。
	シアン・ハンジー（向涵之）	れい・けいじ（冷桂児） 役
冷捕頭の娘。気丈で決断力があり、陸家の皆殺し事件の手がかりを提供し、捜査チームに資金援助も行う。
	リウ・イートン（劉怡潼）	こう・しそう（高士聡） 役
蠹県（とけん）の白役（はくえき）で、曲三更の相棒。肉屋の家の出身で、性格は単純。事件捜査において何度も重要な手助けをする。
	チャン・ハオウェイ（張昊唯）	ほう・かつい（鳳可追） 役
秀才（しゅうさい）の出で、曲三更の幼馴染。頭の回転が速く、捜査チームに加わり、犯人が残した古い書物の手がかりを解読する。
	ツォン・リー（曾黎）	りん・しじょう（林四娘） 役
元翠華楼の花魁で、冷捕頭の幼馴染。子供を産めないことを理由に彼との駆け落ちを断り、生涯独身を貫いた。
	ツァオ・ジョン（曹征）	えき・はんとう ※役職:捕吏班の頭（易班頭） 役
蠹県（とけん）の捕頭。冷捕頭とは不仲で、後に陸直に利用され曲三更と対立する。
	ワン・ツァー（王策）	れい・ぶしつ（冷無疾） 役
蠹県（とけん）のベテラン捕頭で、曲三更の師。陸家の皆殺し事件の手がかりを掴んだため殺害される。
	チャン・シーリン（張晞臨）	りく・えんぼう（陸遠暴） 役
陸家の主人。元は盗賊の頭領で、残忍な性格。富を独り占めしようとしたため、陸直らに計画的に殺害される。
	ユー・ヤオ（于垚）	りく・ちょく（陸直） 役
陸家の小間使い。賢く利口で、後に薛挙人と改名し、陸家の皆殺し事件を主導し20年間その身分を隠していた。
	ゾン・ジュンタオ（宗俊涛）	ぎ・ちけん ※役職:県の長官（魏知県） 役
その正体は陸家の大火事で生き残った小宝子。陸不憂に命を救われた恩に報いるため、知県（ちけん）となり復讐を果たす。
	ジャン・イーミン（蒋一銘）	てい・いっち（程逸致） 役
蠹県（とけん）の名医。盗癖を陸直に脅迫され、陸遠暴の毒殺計画に加担する。
	スン・ビン（孫斌）	ぎゅう・ふえん（牛不厭） 役
	ユー・シンホー（于欣禾）	しゅん・きょう（春杏） 役
	グオ・ハオルン（郭昊倫）	せつ・きょじん（薛挙人） 役
陸直が改名した後の身分。表向きは挙人（きょじん）だが、実際は陸家の皆殺し事件の主犯。
	ニウ・バオジュン（牛宝軍）	おう・すうり（王崇理） 役
鳳可追の叔父。陸家の秘密を知ったために殺害され、それが鳳可追が事件捜査に加わるきっかけとなる。
	ゴー・スー（葛四）	りく・ちゅう（陸忠） 役
陸家の大番頭。元は盗賊団の一員で、陸直による皆殺し計画に協力したが、後に陸直によって口封じのために殺される。
	ハン・シュオ（韓朔）	りゅう・じゅうしち（柳十七） 役
陸家の用心棒で、陸直の共犯者。武術に長けており、放火に関与した後、名を変え身を隠していた。
	ジャン・ジェン（姜健）	りょ・さん（呂三） 役
	リウ・ジャンクイ（劉占奎）	しゃ師爺 ※役職:県の顧問（謝師爺） 役
	ジョン・トゥオジャン（鄭拓疆）	ちん・おう（陳旺） 役
陸家の帳簿係。陸直に脅され陸遠暴の毒殺計画に加担させられた後、口封じのために殺される。
	ワン・ルー（王魯）	ちょう・けいそ（張継祖） 役
	ウー・ゾージンシー（武沢錦熙）	しょう・ほうし（小宝子） 役
陸家の使用人で、陸不憂の親友。陸家の大火事の生存者であり、魏知県（ぎ・ちけん）と名を変え復讐を実行する。
	バイ・ハイタオ（白海涛）	か・ほとう ※役職:捕吏の頭（夏捕頭） 役
新任の捕頭。手柄を立てることに焦り、何度も曲三更の捜査を妨害する。
	ルー・イエ（盧野）	きん・じ（金二） 役
	リュイ・ズーハン（呂梓航）	りく・ふゆう（陸不憂） 役
陸家の次男である陸近信の息子で、陸直の従兄。小宝子を助けようとして火事で命を落とし、その死が復讐の引き金となる。
	ロン・ハイミン（冷海銘）	りく・きんしん（陸近信） 役
	ファン・シャオリー（方暁莉）	（三更の母） 役
	スン・ウェイ（孫瑋）	（三更の父） 役
	レン・シーホン（任希鴻）	（世聡の父） 役
	ロン・ドー（龍徳）	おう番頭 ※役職:店の主人（王番頭） 役
	リャン・ジアウェイ（梁佳偉）	しょせい（書生） 役
	ニン・シャオホア（寧小花）	ふとったおしょう（太った和尚） 役
	ジョン・シンシン（鄭星星）	ちょう・ろうさん（張老三） 役
	ガオ・イー（高毅）	ちょう・ゆうじん（趙友仁） 役
	ジャン・シーラオ（姜熙饒）	（若い林四娘） 役
	フー・イェンタン（付彦丹）	（少年の冷捕頭） 役
	ルー・イーチョン（陸奕成）	きょう・くじ（喬狗児） 役
	ウー・インヘン（呉胤亨）	（子供 甲） 役
	ドン・ジーチー（董芝祺）	（子供 丙） 役
	ルオ・ズーチェン（羅梓承）	（幼い宝子） 役
	フォン・シャン（鳳翔）	ぎゅう・ろくほう（牛禄宝） 役
	ヤン・チャオウェイ（楊朝偉）	ほう・しょう（鮑勝） 役
陸家の用心棒。陸直の陰謀に気づいた後、陸忠によって口封じのために殺される。
	ハオ・ジェンジュン（郝振鈞）	（料理人） 役
	タン・カイウェン（譚凱文）	（店員） 役
	ハン・ホアユー（韓華宇）	だい・ぎゅう（大牛） 役
	ジャン・リージョン（張立忠）	（刺青師） 役
	ソン・ジンウェイ（宋敬偉）	（屋台の主人） 役
	ワン・フーグオ（王富国）	（大男） 役
	ジー・ジリン（季智琳）	（別の番頭） 役
	ミャオ・ジアルー（繆佳汝）	（若い三更の母） 役
	オウヤン・ゼンフー（欧陽増福）	（店員 甲） 役
	バイ・ジンチェン（白錦程）	（老人） 役
	チェン・ホアフォン（陳華鋒）	（ごろつき 甲） 役
	ジャン・シンユー（張新宇）	（ごろつき 乙） 役
	ジャン・ジュンフイ（蒋軍輝）	（打行の五番頭） 役
	リウ・ジェンミン（劉建明）	りょうりにん（料理人） 役
	ジャン・カイファー（張開発）	（孝行息子） 役
	ドン・ナンナン（鄧男男）	（ごろつき 乙） 役
	リー・ミンジー（李明基）	（役人） 役
	ルオ・ジン（羅靖）	（衙門の役人） 役
	ジャン・ユー（張煜）	（検視官） 役
	スン・ミンウェン（孫明文）	（酔っ払い） 役
	ワン・ミンフイ（王鳴慧）	（牢番の頭） 役
	ハン・ジーガン（韓志剛）	（老いた家僕） 役
	ワン・ローシャン（王楽善）	（帳場係） 役
	ヤン・ウェンジュアン（楊文壮）	（友人） 役
	ジャン・ジャオロン（張兆栄）	（老農） 役
	リー・シュエン（李宣）	（油条揚げ職人） 役

『繁城の殺人 ～大明に蠢く闇～』 登場人物たちの肖像

明朝、万暦年間。江南の蠹県（とけん）は、表向きの繁栄とは裏腹に、深い闇を抱えていました。奇怪な連続殺人事件をきっかけに、人々の過去と現在が複雑に絡み合い、隠された真実が少しずつ紐解かれていきます。この物語を彩る、魅力的な登場人物たちをご紹介しましょう。

• 曲三更（きょく・さんこう） / 演：バイ・ユーファン

  蠹県の若き捕吏。幼くして両親を亡くし、師匠である冷捕頭（れい・ほとう）に育てられました。真っ直ぐで正義感が強いのですが、若さゆえの熱さで時に壁にぶつかることも。敬愛する師匠が「論語」の一節を添えられた奇妙な姿で殺害されたことから、彼の運命は大きく動き出します。捜査を進めるうち、師が過去の「陸家滅門事件」に関与し、不正に加担していたという衝撃の事実に直面。信じていたものへの裏切りと、師の仇を討ちたいという想い、そして真実を明らかにしなければならないという使命感の狭間で、彼は苦悩し、成長していきます。その葛藤する姿は、観る者の心を強く打ちます。

• 宋辰（そう・しん） / 演：ニン・リー

  蠹県の役人、典史（てんし）。かつては江南に名を馳せた神童でしたが、科挙の不正事件に巻き込まれ、右手の指三本と左脚の自由を失うという壮絶な過去を持ちます。その経験からか、性格は陰鬱で孤高。取り調べでは容赦ない一面も見せますが、心の奥底では誰よりも真実を渇望しています。冷捕頭とは協力関係にあるように見えながら、密かに陸家の事件を追っていました。曲三更が道を見失いかけた時、「吾が道、一を以て之を貫く」という言葉で彼を導き、事件解決の鍵を握る存在となっていきます。演じるニン・リーが、手袋で隠された手や微妙な口調の変化で表現する、複雑で影のある人物像は必見です。

• 冷桂児（れい・けいじ） / 演：シアン・ハンジー

  冷捕頭の一人娘。幼い頃に母を亡くし、父と二人で慎ましく暮らしてきました。聡明で、心の芯が強い女性です。突然父を奪われた悲しみに打ちひしがれながらも、父が関わった陸家滅門事件の真相究明のため、自ら曲三更へ手がかりを託し、私財を投じて捜査を支えます。父と林四娘（りん・しじょう）の過去を知っても、彼女を恨むことなく、その境遇に理解を示す優しさも持っています。捜査チームの「後方支援」として、その冷静さと細やかな気配りで皆を助け、曲三更との間に芽生える淡い想いは、緊迫した物語に温かな光を灯します。

• 高士聡（こう・しそう） / 演：リウ・イートン

  曲三更の幼馴染で、同じく捕吏。実家は肉屋ですが、生き物を殺すことを厭い、この道を選びました。裏表のない真っ直ぐな性格で、思ったことをすぐ口にしてしまう純粋さを持っています。どんな時も親友である曲三更の側にいて、彼を支え、時にはその身を挺して守ろうとします。彼の素朴な優しさは、この複雑怪奇な事件の中ではあまりにも無垢で、だからこそ彼の辿る運命は、観る者に深い哀しみを残します。権力闘争の渦に巻き込まれていく彼の姿は、時代の非情さを静かに物語っています。

• 鳳可追（ほう・かツイ） / 演：チャン・ハオウェイ

  曲三更、高士聡とは幼馴染の秀才。一見すると世を拗ねたような、どこか掴みどころのない青年ですが、その頭脳は明晰で、古今の書物に精通しています。叔父である王崇理（おう・すうり）が事件に巻き込まれて殺害されたことをきっかけに、持ち前の知識と鋭い観察眼で、犯人が残した難解な謎を解き明かしていきます。官界の腐敗に失望し、どこか世の中を斜めに見ているような彼の言動には、時にユーモアと、時に痛烈な皮肉が込められており、物語に知的な刺激と深みを与えています。

• 林四娘（りん・しじょう） / 演：ゼン・リー

  かつては街一番の妓楼「翠華楼」の花魁として名を馳せ、今はその女主人として采配を振るう女性。幼い頃に楼閣に売られ、15歳の時に逃げ出そうとしたところを危難から救ってくれたのが、若き日の冷捕頭でした。二人は心を通わせますが、彼女は子を成せない身体であったことから、彼の申し出を断り、楼閣に残る道を選びます。華やかな世界の裏で、彼女はずっと過去の出来事と、冷捕頭への想いを胸に秘めて生きてきました。陸家の事件の真相が明らかになるにつれ、彼女と冷捕頭の秘められた関係が重要な鍵となり、彼女自身の運命もまた、大きく揺れ動いていきます。

• 陸直（りく・ちょく） / 演：ユー・ヤオ

  20年前に起きた陸家滅門事件の、まさに中心にいた人物。元は路上で暮らす孤児でしたが、陸家の主人・陸遠暴（りく・えんぼう）に拾われ、書童として仕えるうちに深い寵愛を受けます。類まれな聡明さを持っていましたが、陸遠暴からの屈辱的な仕打ちと裏切りによって、その心は徐々に歪んでいきます。陸家の財産を奪うため、使用人たちと結託して一族を惨殺。証拠を偽造し、屋敷に火を放ちました。そして20年後、彼は「薛挙人（せつ・きょじん）」と名を変え、蠹県の裏社会にも通じる有力者として、再び姿を現します。権力への渇望が、かつての純粋さを飲み込んでしまった悲劇の人物です。

• 魏知県（ぎ・ちけん） / 演：ゾン・ジュンタオ

  蠹県に新しく赴任してきた知事（県令）。猫をこよなく愛し、どこか頼りなく、金に汚い「猫官」として振る舞っていますが、それは彼の真の姿を隠すための仮面でした。彼の本名は小宝子（しょうほうし）。かつて翠華楼で下働きをしており、陸家の若様・陸不憂（りく・ふゆう）とは親友の間柄でした。陸家が炎に包まれた夜、陸不憂は彼を庇って命を落とし、彼は陸家の隠し金と共に生き延びたのです。20年の時を経て、彼は魏知県として故郷に戻り、親友の仇を討つため、そしてこの町の腐敗を断ち切るために、周到に計画された連続殺人を実行していきます。その静かなる復讐劇は、物語の核心に迫る大きな謎となっています。

• 冷捕頭（れい・ほとう） / 演：ワン・ツァー

  曲三更の師であり、育ての親。町の治安を守る捕頭として人々から頼りにされる一方で、裏では権力者と結託し、賄賂を受け取り、悪事を見逃すこともありました。林四娘との過去の関係を陸直に知られ、脅迫されたことから、陸家滅門事件の後始末に加担し、無実の夜回りを殺めて真相を闇に葬るという罪まで犯してしまいます。弟子である曲三更への父親のような情と、自らが陥った不正の泥沼との間で、彼もまた深く葛藤していたのかもしれません。彼の死が、すべての始まり。その存在は、光と影、善と悪が混在する人間の複雑さを象徴しています。