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『大奉打更人』あらすじ徹底解剖!ネタバレありで魅力を深掘り

大奉打更人

中国ドラマ『大奉打更人』基本情報とあらすじと見どころ

現代の敏腕営業マンが、ある日突然、異世界の罪人として目覚める――。そんな衝撃的な幕開けから始まるドラマ『大奉打更人』は、単なるタイムスリップものではありません。現代知識を武器に難事件を解決していく痛快さ、手に汗握る権力闘争、そして胸躍るファンタジー要素が絶妙に絡み合い、観る者を飽きさせないエンターテイメント大作です。

まずは、この注目作の基本情報から見ていきましょう。

項目 詳細
原題 大奉打更人
英題 Guardians of the Dafeng
別名 大奉打更人第一季、大奉打更人1
原作 売報小郎君(マイバオシャオランジュン)著『大奉打更人』
監督 ドン・コー(鄧科)、高琮凱
脚本 ヤン・ユーチェン(楊雨晨)(総脚本)、巩俐、苗聪聪、陈金鹏、姜尚、张扬、金卉
出演 ワン・ホーディー(王鶴棣)、ティエン・シーウェイ(田曦薇)、リウ・イージュン(劉奕君)、イエン・ズードン(晏紫東)、ユエ・ヤン(岳旸)、チャン・シャオチェン(張暁晨)、マオ・シャオフイ(毛晓慧)、ファン・シュアイチー(范帅琦)、リウ・メイハン(刘美含)、ジャン・ミャオイー(张淼怡)
話数 全40話
製作国 中国

虚実が織りなす玄幻王朝への転生劇

物語の舞台は、明代をモデルに構築された架空の「大奉王朝」。一見平和に見えるこの国ですが、その実態は腐敗と陰謀が渦巻く危険な世界です。百官を監視し、錦衣衛や東廠に匹敵する権力を持つ「打更人(ダーゲンレン)」と呼ばれる組織。修道に没頭する皇帝のもと、朝廷は権臣や宦官によって牛耳られ、民間では妖しい術を使う者や、仏門、道門といった勢力が独自の力を振るっています。

この「懸幻」つまりサスペンスフルなファンタジー世界に、現代の不動産会社で働く敏腕営業マン、楊凌(ヤン・リン)が突如タイムスリップ。彼が転生したのは、なんと「許七安(シュー・チーアン)」(ワン・ホーディー)という名の、まさに牢獄に囚われた罪人でした。ここから、彼の波乱に満ちた冒険が幕を開けます。

現代知識チートで逆境を覆す!

許七安が直面した最初の危機は、叔父が輸送していた15万両もの税銀が忽然と消え、一族郎党が連座の罪に問われるという絶体絶命の状況。しかし、彼は牢獄の中で、現代で培った化学知識――金属ナトリウムが水と反応して爆発するという原理――を駆使し、税銀が巧妙にすり替えられたトリックを見破ります。これにより、自身の潔白を証明するだけでなく、戸部侍郎(財務官僚)の周顕平と御刀衛(皇帝直属の護衛隊)が結託した大規模な汚職事件を暴き出すのです。

この鮮やかな逆転劇は、彼の類稀なる才能を権力者たちに印象づけました。特に、朝廷で絶大な権力を握る「打更人」のトップ、魏渊(ウェイ・ユエン)(リウ・イージュン)は許七安の才覚を見抜き、彼を配下に引き入れます。魏渊は、「厂公(宦官の長官)」として冷酷非情な一面を見せながらも、内心では国を憂い、社会を正そうとする熱い志を秘めた人物。彼と許七安の間に芽生える、師弟でありながらも友人でもあるかのような複雑な関係性は、物語全体を貫く権力闘争の重要な軸となっていきます。

事件解決の先に潜む巨大な陰謀

打更人の一員となった許七安は、その明晰な頭脳と現代知識を武器に、次々と難事件を解決へと導きます。康平街で起きた継子による父親殺害事件では、「囚人のジレンマ」を巧みに利用して容疑者たちを分断。妖物が人間を喰らう事件では、現代の生物学の知識から妖怪の正体を見抜きます。さらに、桑泊で発生した大事件では、仏門の高僧と朝廷の奸臣が結託した巨大な陰謀を白日の下に晒すことになるのです。

一つ一つの事件は、まるで複雑に絡み合った糸を解きほぐすように展開し、古代の捜査手法の巧妙さと、タイムスリップしてきた許七安ならではの現代的思考――例えば、指紋照合による犯人特定や、暗号学を用いた密書の解読――が融合することで、捜査プロセスは実にスリリングかつユニークなものとなっています。

多彩なジャンルの融合が生み出す魅力

このドラマの特筆すべき点は、多様なジャンルが見事に融合していることです。サスペンスフルな事件捜査の合間には、許七安と臨安公主(リンアン)(ティエン・シーウェイ)のコミカルなやり取りが笑いを誘います。公主がお忍びで男装して打更人組織に潜入し、許七安の現代的なジョークを「修仙の奥義」と勘違いする場面や、二人が協力して捜査にあたる際、許七安が放つ「この手のやり方は『次元が違う攻撃』って言うんだ」といった現代語に、周囲の古代人たちが戸惑う様子は、本作の大きな魅力の一つです。

一方で、権力闘争の描写は緊張感に満ちています。魏渊と朝廷の重臣である王貞文の党派争い、そして密かに皇位継承を狙う懐慶長公主(ホワイチン)(マオ・シャオフイ)の暗躍など、朝廷内部はまさに魑魅魍魎が跋扈する世界。打更人組織の内部にさえ、裏切り者が潜んでいる可能性が示唆され、一瞬たりとも目が離せません。

映像美と演技、そして作品が問いかけるもの

制作面では、術が飛び交うシーンの特殊効果やアクションデザインに力が入れられています。術士が「掌心雷」を放つ際の強烈な光と爆発の視覚的インパクトや、仏門の金剛法相と許七安が召喚する帝王法相が激突するシーンなどは、精巧な特殊効果によって迫力満点に描かれています。また、打更人が事件捜査で用いる「望気術」――人物のオーラのようなものを見て善悪を判断する能力――は、ファンタジー要素と探偵ロジックを巧みに結びつけています。

ただし、一部の視聴者からは、コメディ要素が時にサスペンスの緊張感を上回ってしまうという意見や、主演のワン・ホーディーの演技スタイルがやや「大げさ」ではないかという声も上がっているようです。

総じて、『大奉打更人』は、タイムスリップという設定を通して古代の事件捜査を新たな視点から描き出し、権力闘争や仙術が絡み合う冒険の中で、正義とは何か、人間性とは何かを問いかける作品と言えるでしょう。原作が持つ「主人公が次々と困難を乗り越えていく爽快感」をしっかりと維持しつつ、許七安が貫く「権力者に媚びず、ただ民のために真実を語る」という姿勢は、現代的な価値観を色濃く反映しています。このような、現代的視点を時代劇に巧みに取り入れた試みが、中国国内での高い人気や、海外14カ国での同時期放送といった成功に繋がっているのかもしれません。この作品は、単なる娯楽としてだけでなく、現代社会に生きる私たちにも通じる普遍的なテーマについて、深く考えさせられるきっかけを与えてくれるのではないでしょうか。

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